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制限されてないタコ足配当
毎月分配型投資信託のタコ足配当
毎月分配型の投資信託というのがあります。見た目には、配当分配が毎月実行されるので、魅力的に感じられところです。
受け取る分配金については、源泉徴収されていないケースもあります。分配金の原資として、運用益のみならず、投資信託の元本を取り崩して分配している場合、その部分については、源泉徴収の対象にならないからです。
これは、「タコ足配当」と言われます。タコが自分の足を食べるのに似ていることから、元本原資分配をこのように表現しています。タコ足配当は、配当所得には該当しません。投資元本の簿価の記録としては、これを減少させることになります。会社の配当のタコ足配当
旧商法では、タコ足配当は、絶対的な制限事項でした。旧商法の重要課題の債権者保護は、資本充実の原則によって支えられていましたが、現行会社法にはこの発想がありません。会社法では、企業内容の開示が債権者保護の中核となり、開示によって得た情報を使って、債権者は賢明な意思決定を行い、市場において自分の権利は自から守るという自己責任の原則に転換しています。会社法では、資本金をゼロまで減少し、資本剰余金として、利益剰余金と同様に株主に配当してしまうことが可能となっています。タコ足配当は、まったく制限事項ではなくなっているということです。タコ足配当と税務の留意事項
利益剰余金がない会社で、資本剰余金を原資とする配当がなされた場合、税法では、株主のこの配当収入は株式の譲渡収入と看做すこととされ、その収入に対する譲渡原価として過去の株式出資(購入)簿価が対応することになり、通常は、譲渡益が出ることはありません。冒頭の、元本取崩しのタコ足配当での処理と同じです。
ただし、合併や会社分割等の組織再編で生ずる資本剰余金は、個人株主からの外部拠出によって生ずるものではないので、もしこれを原資として個人株主に分配することがあるとしたら、これによる株式の譲渡収入と看做される額が、これに対応する譲渡原価となる個人株主の過去の拠出額をはるかに超えて巨額の譲渡益を算出することになる場合があります。