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最近の消費税(増税の時期)
更新日時:2013/07/06
昨今、TVや新聞等を見ていると消費税についての話題が多く取り上げられています。増税・改正が多くあるため、何が、いつ、どうなるの?自分たち(会社・消費者)にはどんな影響があるの?と感じている方も多いのではないでしょうか。以前もこのBlogで消費税増税について住宅購入を例に挙げ、税率が上がることによる駆け込み需要と反動減について取り上げましたが、今回は消費税増税の時期に焦点を当てていきたいと思います。
まず初めに、消費税引き上げの具体的内容についての確認です。(主な特徴を4つほど挙げています)
1.平成26年4月1日に8%、平成27年10月1日に10%へ引き上げる
2.使途は、医療・介護・年金・少子化対策の社会保障に充当
3.景気悪化時に引き上げを行わない「景気弾力条項」を入れる
4.単一税率を維持し、軽減税率を取り入れた複数税率制は採用しない
まず1.についてですが、引き上げ前の税率か、引き上げ後の税率を使うかは、商品やサービスを「引き渡した際」の税率を適用します。しかし、商取引の形態からこの原則の適用が困難な業種が存在するため、こうした業種で発生する取引については税率の適用を遅らせる経過措置が別途設けられています。今回の消費税率の改正は2014年4月1日ですが、税率改正に合わせて設けられた経過措置の中には、施行日の半年前の2013年10月1日を基準として税率の適用を判断するものがあります。例えばマンションなどの請負契約で2013年10月1日前に契約したものについては、税率改正後の引き渡し物件についても改正前の旧税率5%が適用されます。そのためマンションの販売会社などであれば、2013年10月1日前に販売した物件について2014年4月以降も旧税率の5%が適用されるように適切に管理する必要があります。「2014年4月になったから税率を単に8%にすればいい」というわけではなく、個別の対応が必要になってしまいます。ここでのポイントとして押さえていただきたいのは施行日(2014年4月1日)よりも、経過措置による指定日(2013年10月1日)が重要な業種があるというところです。
また3.の「景気弾力条項」ですが、景気の悪化時には引き上げを行わず、経済状況の好転について経済成長率や物価動向を確認することとなっています。この「景気弾力条項」は、平成9年に消費税を3%から5%に引き上げた時の教訓があります。平成9年という年は、三洋証券・山一證券・北海道拓殖銀行などの金融機関の破たんが相次ぎ、金融市場での日本の信用が崖っぷちに立った年です。時を同じくして消費税の引き上げ・医療費の自己負担引き上げなどが同時にあり、長期景気低迷への入り口となってしまった年です。したがって、今回の「引き上げ停止」の状況は、平成9年ほどのインパクトのある「経済状況の悪化」を想定しているということでしょう。
消費税率の変遷をたどると、平成元年に3%で導入され、8年後の平成9年に5%に。15年たった現在は5%で、8%になるのが今から約1年後、10%になるのは、さらにその1年半後です。こうして見ると税率が上がる時期が早くなっています。企業にとって今考えられる対策としては、長期の契約を結ぶ際に、消費税率の変更も考慮していくことです。契約条項に「消費税税率の変更の際の取扱い」などを定め、契約金額についてトラブルがでないようにしていくことが重要になっていきます。