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ファンド組成

労働保険の年度更新 28年度のポイント

更新日時:2016/08/09

雇用保険料率は引き下げ
労働保険料は前年の4月から今年の3月までに支払った賃金を基に昨年度(平成27年度)当初に概算で申告、納付していた保険料を今年度(平成28年度)の初めに精算します。この申告納付する事を年度更新と呼んでいます。今年度も申告書は5月末ころに事業所への申告書送付がスタートし、申告と納付は6月1日より7月11日までに行います。保険料は労災保険料と雇用保険料ですが、労災保険料率の変更はありません。雇用保険料率は新年度から引き下げられています。一般の事業1000分の11(前年度1000分の13.5)、農林水産・清酒製造の事業1000分の13(前年度15.5)、建設の事業1000分の14(前年度1000分の16.5)です。

法人番号の記載が必要になる
労働保険の申告書用紙の様式が変更され「法人番号欄」記載欄が追加されています。法人番号とは国税庁から通知された13桁の番号でこれを記入します。1法人につき1つ割り当てられるもので支店や事業所においても同じ番号を記載します。個人事業主の場合は13桁全てに「0」を記入しておきます。

建設の事業は消費税の取り扱いに注意
建設の事業で労務費率により、保険料の算定基礎となる賃金総額を算出する場合、前年度中に終了した事業については事業の開始時期により消費税率にかかる暫定措置適用の有無が異なっています。詳しくは年度更新のリーフレットに記載されています。また厚労省HPでも確認できます。

熊本・大分における地震被害に伴い、労働保険料等の納付猶予を受ける場合
今年の4月に熊本・大分県を中心に発生した地震により、事業経営の為に直接必要な財産(事業財産)に相当の損失(概ね20%以上)を受けた事業主は「納付猶予申請書」および「被災証明書」を提出する事により一定期間納付の猶予を受ける事ができます。この申請は年度更新申告書の提出とともに行う事も可能です。但し、被災額が申告書提出までに確定しない時は災害が止んだ日から2ヶ月以内に行えます。詳細は厚労省HPでも確認ができます。

会社が払う学資金

更新日時:2016/08/09

従業員の研修に支払った費用の取り扱い
会社が従業員の教育の為、学資金(講習や講座の費用等)を支払った場合、状況に応じて課税される場合と非課税の場合があります。例を交えて考えてみたいと思います。役員や従業員に支給する学資金は原則、給与として課税されます。しかし従業員に対して技術の習得等をさせる為の金品(給与その他将来の役務の提供を条件として支給されるものの対価の性質を有するものを除く)は非課税です。

非課税とされるもの
①会社が業務遂行上の必要に基づき、役員または従業員に職務に直接必要な技術や知識を習得させる為に支給する費用であること。
②会社が業務遂行上の必要に基づき免許、資格を取得させる為の研修会、講習会等の出席費用や大学等における聴講費用であること。
③学校教育法1条に規定する学校における修学の為の費用に充てるものとして支給するもの(役員や従業員である個人の親族のみを対象とする場合を除く)。
以上の3つのいずれかの要件を充たし、その費用が適正な金額であること。

例題1
中高年の早期退職者の再就職や自営を行う為に役立つ資格や技術を習得する場合。退職する前の教育は業務の為、直接必要な資格、技術が目的ではないので非課税でなく給与所得になります。退職後に支給が確定するものは退職に起因して支払われるものでない為、退職所得にはなりません。また、退職後の仕事に役立つことを目的とした受講料支払いでなければ助成ではなく雑所得扱いです。

例題2
次に若手従業員に自己啓発を推進する為のパソコン講座費用、事業拡大を目的としアメリカに派遣する為に事前に英会話を研修させる場合を考えてみます。パソコン講習は自己啓発であれば会社の業務に直接寄与するものでないので、本来本人負担であるものは給与所得となります。会社が事業拡大でアメリカに派遣する従業員に英会話を習得させる等は、会社の業務の為、直接必要な知識を習得するものに該当し適正な額であれば非課税です。

平成28年度キャリアアップ助成金

更新日時:2016/08/05

キャリアアップ助成金とは
有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者(正社員待遇を受けていない無期雇用労働者を含む。以下「有期契約労働者等」と言う)へ企業内でのキャリアアップ等を促進する為、一定の取り組みを実施した事業主に対して助成するもので、有期契約労働者等を次の様な雇用をすることで助成されます。新年度より3つのコースになりました。

正社員化コース
有期契約労働者等を正社員雇用、多様な正社員等に転換又は直接雇用した場合に助成されます。(中小企業の場合の額)

ア、有期⇒正規 1人当たり 60万円
イ、有期⇒無期 1人当たり 30万円
ウ、無期⇒正規  1人当たり 30万円
エ、有期⇒多様 1人当たり 40万円
オ、無期⇒多様 1人当たり 10万円
カ、多様⇒正規 1人当たり 20万円
※ 多様な正社員とは勤務地・職務限定、短時間正社員を指します。また、加算額もあります。

・派遣労働者を正規雇用
上記ア、ウは1人当たり 30万円
エ、オは1人当たり 15万円
・勤務地職務限定制度規定した企業10万円

人材育成コース
有期契約労働者等に職業訓練を行った時。
・賃金助成 1時間当たり 800円
・経費助成 一般職業訓練(off-JT)
有期実習型訓練(ジョブカード活用) 最大30万円
中長期キャリア形成訓練 最大50万円

処遇改善コース
有期契約労働者等にいずれかの取り組みを行った場合。
ア、全て又は一部の人の基本給の賃金テーブルを改定し2%以上増額させた場合
全てを改定…3万円~10万円×人数
一部を改定…1.5万円~15万円×人数
職務評価手法の活用で1事業所20万円加算
イ、共通処遇推進制度
法定外の健康診断制度を新たに規定し、延べ4人以上実施…1事業所当たり 40万円
共通の賃金テーブル導入・適用…1事業所当たり 60万円
ウ、短時間労働者の週所定労働時間を25時間未満から30時間以上に延長し社会保険を適用した場合…1人当たり 20万円

後を絶たない相続トラブル 親の預金の使い込み

更新日時:2016/08/05

平成27年の成年後見人の不正件数
高齢者の方、中でも認知症になった親御さんの財産管理は、ご親族にとって悩ましい問題です。この問題を解決するために設けられたはずの「成年後見制度」ですが、着服などのトラブルが多いため、平成22年から最高裁が不正件数を調査しています。

成年後見人(親族含む)の不正件数等(最高裁)
年     件数          被害金額
H23    311件     33.4億円

H24年   624件    48.1億円

H25年   622件     44.9億円

H26 年   831件    56.7億円

H27年    521件                 29.7億円

新聞報道によれば、平成27年の数字は全体数としては、はじめて減少に転じましたが、「専門家」による不正件数が37件(被害金額1.1億円)と過去最高だったそうです。成年後見人の「専門家」の占める割合は65%(H26)と増えていることもあり、由々しき問題です。一方で、それ以外の数字が「親族後見人」の着服であると考えると、これもこれですごい数字です。

子が預金等を使い込んだ場合はどうなる
親族後見人と限らず、子が無断で親の預金を使い込むなど着服をすると、民事上の賠償責任、刑事上の業務横領罪(親族相盗例の適用なし)となるばかりでなく、その着服した金員は、親御さんがその子に対して有する「不当利得返還請求権」(本来の持ち主に返還を求める請求権)として相続税の課税対象となります。たとえ、相続の発生による「混同」により請求権が消滅することとなっても、税金の問題は残ってしまうということになります。

裁判所の法的解決も「不当利得返還請求」
また、このような問題が相続人当事者間で解決できない場合には、遺産分割調停で争う方法と、訴訟(不当利得・不法行為)で争う方法が考えられますが、これについては、家裁では「不当利得返還請求訴訟」により解決すべきとの意向を示しており、「相手方が預金を解約したこと等を認め、今でも一定の額を預かっていることを認めて、そのお金を遺産として分割の対象とすることに同意した場合」には例外的に遺産分割でも取扱うことができるようですが、それに同意しない場合や預かり額に争いがある場合には、この限りではないようです。

平成28年税制改正で3つの見直し少し変わりました! 農地の納税猶予

更新日時:2016/08/05

贈与の納税猶予は「認定農業者」が要件に
平成28年4月より「農地等の贈与税・相続税の納税猶予及び免除」の規定が一部改正されています。まず一つ目の改正は、「農地等の贈与税の納税猶予」の適用対象者の見直しです。改正前の適用対象者は、贈与者の推定相続人で①贈与日において18歳以上であること、②3年以上農業に従事していたこと、③贈与後速やかに農業経営を行うと認められることを農業委員会が証明した個人、とされていましたが、これに「認定農業者等」であることが要件に加わりました。「認定農業者」とは、農業経営基盤強化促進法に基づき、農業者が市町村に「農業経営改善計画書」を提出し、その計画書が認定された方々で、この「認定農業者」になると、交付金の受給や融資などの支援措置を受けることができます(27年6月には24万人が認定済)。今回、この「認定」が贈与税の納税猶予の要件となりました。漠然とした営農継続ではない、計画的な農業経営が求められることになりそうです。

農地集積バンクへの特定貸付けは要件緩和
また、現在、わが国では、農地中間管理機構(農地集積バンク)を通じた農地利用の集約化が進められていますが、改正前には、農地等の贈与税の納税猶予を受けていた農地等を、贈与税の申告期限から10年(又は20年)を経過しないうちに農地集積バンクに貸付けた場合には、納税猶予が継続できる「特定貸付け」制度の適用が受けられず、納税猶予が打ち切られる形となっていました。これを改め、農地集積バンクへの特定貸付けに限って、この「受贈者の適用期間要件(10年又は20年)」を廃止することとなりました。

区分地上権設定による猶予継続の緩和
最後に、相続税・贈与税の納税猶予の打切り事由になる農地の譲渡・貸付けから「区分地上権の設定」が除外されました。これは、近年、簡易な支柱を立てるタイプの太陽光パネルが発売され、農作物の生育に必要な日照を確保しながら、太陽光パネルの下で耕作することが可能となったことが契機となっています。農地法ではこの設置につき、区分地上権等を設定することが求められているため、納税猶予が打切りとなってしまうことがネックとなっていました。改正後は、このタイプの太陽光パネルを設置しても、引き続き営農していれば、納税猶予を継続できます。