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受取配当等の益金不算入制度の見直し
更新日時:2015/08/31
平成27年改正・受取配当等の益金不算入
平成27年税制改正では、法人税率が引き下げられる一方で、課税ベースを拡大する改正項目が盛り込まれています。その中の一つが「受取配当等の益金不算入」制度の見直しです。今回の改正では、二重課税排除という制度の基本的な考え方を踏まえつつ、次の点が見直されています。⑴ 株式等の区分の改正
支配目的の株式等と支配目的の乏しい株式等(資産運用目的の株式等)との区別が一層明確化され、株式等の区分が次のように見直されました。(改正後)株式等の区分と益金不算入割合
区分 不算入割合 ①完全子法人株式等 (保有割合100%)
100% (負債利子控除なし)
②関連法人株式等 (保有割合1/3超)
100% (負債利子控除あり)
③その他の株式等 (5%超・1/3以下)
50% (負債利子控除なし)
④非支配目的株式等 (保有割合5%以下)
20% (負債利子控除なし)
⑵ 負債利子控除の改正
上記の区分改正に伴い、負債利子控除の計算が煩雑になることを考慮して、③と④については、負債利子控除の計算は行わないこととされました(改正後は関連法人株式等のみ負債利子控除の計算を行うこととなります)。また、負債利子控除割合の計算における総資産の帳簿価額から減算又は加算する金額の取扱いについて、「その他有価証券に係る評価益等相当額」又は「評価損等相当額」が除外されました。⑶ 株式投信の全額益金算入
公社債投資信託以外の証券投資信託(株式投信)について、全額益金不算入(改正前は収益分配金の1/2)とされました。適用初年度は「原則法」により計算
また、関連法人株式等に係る負債利子控除額の簡便法における基準期間が、H27.4.1からH29.3.31に開始する事業年度とされます。簡便法に経過措置が設けられなかったため、適用初年度ではすべての法人が「原則法」により計算することになります。なお、この原則計算の場合、「当期末及び前期末の総資産の帳簿価額の合計額」、「当期及び前期の期末関連法人株式等の帳簿加価額の合計額」が計算で用いられますが、この「前期末」は改正後の規定で再計算したものを用いることとなります。「空き家」に関連する税制
更新日時:2015/08/29
平成27年5月「空き家対策法」全面施行
平成27年5月「空き家対策法」(空家等対策の推進に関する特別措置法)が施行されました。日本の空き家の数は820万、空き家率は13.5%に上り、増加傾向にあると言われています。管理が不十分な空き家は、火災の発生や家屋の倒壊、衛生面や景観面の悪化等も懸念されます。このような状況を受けて登場した「空き家対策法」ですが、税金にもいろいろな影響を与えています。固定資産税 特定空家の住宅用地特例除外
「空き家対策法」では「周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切な状態にある空家等」を「特定空家」と定義して、その所有者に対して必要な措置を取るよう市町村長が助言・指導・勧告・命令等をできることとなりました。これを受けて、同法の勧告の対象となった「特定空家」の敷地については、「住宅用地の特例」(価格に1/3~1/6の率を乗ずる特例)の対象から除外する措置が取られました。場合によっては、固定資産税が今までの6倍となる物件も出てくることが予想されます。所得税「空き家補助金」と所得税の関係
また、「空き家対策法」施行前から、既に空き家の有効利用を進める観点から、空き家の取得・リフォーム・解体費用の一部を補助金として給付する自治体がありました。この補助金を一般個人が取得した場合には、一時所得として課税されます。ただし、空き家の取得・リフォームに伴い取得する補助金には「国庫補助金等の総収入金額不算入」(申告要件あり)、解体費用に伴う補助金には「移転等の支出に充てるための交付金の総収入金額不算入」(申告要件なし)の規定があり、いずれの「空き家補助金」にも課税されない制度が設けられています。また、金融機関から融資を受けて空き家を取得した場合の住宅ローン控除の適用については、取得対価から「空き家補助金」を控除して計算することとなります。譲渡の場合「3,000万円特別控除」不可
かつて居住していたが、一定の年数、空き家となっている物件を譲渡した場合には、譲渡所得(所得税)の「住宅用財産の3,000万円の特別控除」の特例の適用を受けることはできません。そのため、古い物件であっても「空き家」の処分時に譲渡所得が生ずることが免れないケースも増えてくると思われます。非上場株式の価額の算定方法
更新日時:2015/08/26
国外転出時課税の「1億円」判定方法は?
平成27年7月からスタートする国外転出時課税制度は、有価証券等を1億円以上有する居住者に適用されます。この有価証券の価額「1億円」という判定基準は、上場株式など取引市場があるものについては、時価(終値)の情報を取りやすいのですが、非上場株式等については、取引市場がないため、その株価を算定しなければなりません。この場合、非上場株式の取引価額の算定によく用いられる「株式等を取得する権利の価額」や「株式等を贈与等した場合の『その時における価額』(みなし譲渡)」の通達規定を準用して算定することになります。非上場株式の価額の原則的算定方式
非上場株式の価額は、「株式等を取得する権利の価額」の通達の規定を用いて算出した価額が原則的な株価の算定額となります。この通達では次の①~④の順に従って、それぞれの金額で算定することになります。①売買実例がある場合 …最近の売買実例のうち適正なものの価額
②公開途上株式である場合
…公開価格等を参酌した通常取引価額
③売買実例がなく、類似法人の価額がある場合…類似法人比準推定価額
④①~③に該当しないもの…1株当たりの純資産価額等を参酌した価額
実際には、非上場株式の取引においては、売買実例があるものも少なく、類似する法人を見つけることも困難であることから、④の1株当たりの純資産価額を参酌した価額を採用する例が多く見られます。
財産評価基本通達を準用することも可能
また、「株式等を贈与等した場合の『その時における価額』(みなし譲渡)」の通達規定により、相続税の計算で用いられる財産評価基本通達を用いることもできます。ただし、相続税の非上場株式の評価では「企業の清算価値」を志向するのに対して、所得税の評価では「継続企業」を前提とすること等があるため、次の3点の調整を加えて評価を行うこととなっています。①「中心的な同族株主」である場合は、常に「小会社」で評価すること。 ②土地と上場株式は相続税評価額ではなく、「時価」で評価すること。
③評価差額に対する法人税額等相当額(現行38%)の控除は行わないこと。
国外転出時課税と納税管理人の届出
更新日時:2015/08/24
平成27年7月「国外転出時課税」スタート
平成27年7月1日から「国外転出時課税」制度がスタートしました。正式な名称は「国外転出をする場合の譲渡所得等の特例」。1億円以上の有価証券等を有する居住者が国外転出(日本国内に住所・居所を有しないこと)をした場合には、その有価証券等の譲渡をしたものとみなす―出国時に有価証券等の「含み益」に課税する制度です。富裕層の軽課税国移住による租税回避には、各国の税務当局も頭を悩ましており、今回の改正もOECDの公表した「BEPSプロジェクト」(税源浸食と利益移転)に日本側が対応したものでした。この「国外転出課税」の留意すべき事項はいくつもありますが、中でも「納税管理人の届出」を国外転出時までに行っているか否かにより、譲渡があったものとみなされる金額が異なってくる点は、その申告期限とあわせて注意したいところになります。国外転出までに納税管理人届出ありの場合
居住者が国外転出の時までに、所轄税務署長に「納税管理人の届出」を行っている場合には、「国外転出時の価額」で有価証券の譲渡等があったものとみなして、翌年の確定申告期限(3月15日)までに申告と納付を行うことになります。また、国外転出までに「納税管理人の届出書」を提出していれば、「納税猶予」の適用があります。この場合、確定申告書の提出期限までに担保を提供するとともに、その納税猶予期間中に「継続適用届出書」を所轄税務署長に提出することになります。国外転出までに納税管理人届出なしの場合
国外転出の時までに「納税管理人の届出書」を提出しない場合には、原則として「国外転出予定日から起算して3ヶ月前の価額」で有価証券等を譲渡したものとして国外転出時に申告することになります(準確定申告)。この場合には、「納税猶予制度」の適用を受けることはできないので、国外転出までに納付を行わなければなりません。なお、国外転出後に「納税管理人の届出」をし、申告するときは、「国外転出時の価額」で有価証券の含み益を計算することとなります(この場合においても、原則として「納税猶予」の適用はありません)。東芝・不正経理問題で注目された「工事契約会計基準」とは
更新日時:2015/08/18
本日は、東芝・不正経理問題で注目された「工事契約会計基準」に関する記事です。
東芝、不正経理の規模1,500億円か!?
東芝の巨額に上る不適切経理問題が波紋を呼んでいます。当初はインフラ工事部門で3年間にわたり500億円の利益が前倒し計上されていたことが問題とされていましたが、その後、決算発表は延期され、テレビ・PC・半導体部門でも会計処理が適切でなかった疑いがあると報道されています。「工事契約会計基準」とは?
具体的には、インフラ工事部門では、「工事進行基準」の適用において、総原価が不当に過少であったということのようです。上場企業や会社法上の大会社は「工事契約に関する会計基準」(工事契約会計基準)が適用されます。この会計基準では、「成果の確実性」が認められる場合には、「工事進行基準」を適用し、工事の進捗に応じて売上・原価を計上し、「成果の確実性」が認められない場合には、「工事完成基準」を適用して、完成時に売上・原価をまとめて計上するものとされています。「成果の確実性」がある場合とは、①工事収益総額、②工事原価総額、③決算日における工事進捗度が信頼性をもって見積もりができる場合をいいます。「工事進行基準」における工事収益
「工事進行基準」による工事損益の一例を上げてみましょう。【設例】見積工事収益総額 1.5億円 見積工事原価総額 1.0億円
(発生原価 第1期0.2億円・第2期0.5億円・第3期0.3億円) 進捗率 原価比例法
この場合、工事損益は次のようになります。
第1期 第2期 第3期 合計 工事収益 0.3億 0.75億 0.45億 1.5億 工事原価 0.2億 0.5億 0.3億 1.0億 工事利益 0.1億 0.25億 0.15億 0.5億 「工事完成基準」を適用した場合には、第3期目に工事収益1.5億円・工事原価1.0億円(工事利益0.5億円)をまとめて計上するのに対し、「工事進行基準」により損益を計上した場合には、決算日における工事の進捗(第1期20%、第2期70%、第3期100%)に応じて、収益が計上されるため、合理的なものと考えられます。ただし、それは「成果の確実性」が担保されている場合に認められます。見積工事原価が不当に過少なケースでは、より利益が前倒し計上されることになるからです。
平成28年からスタート する「ジュニアNISA」とは
更新日時:2015/08/17
本日は、平成28年からスタート する「ジュニアNISA」に関する記事です。
H28よりNISAの適用範囲が拡大されます
平成28年からNISA(少額投資非課税制度)の適用範囲が拡大されます。まず、現行のNISA(20歳以上の成年者に適用)の「非課税口座」に設けられている各年分の「非課税管理勘定」に受け入れることができる上場株式等の限度額が100万円から120万円に引き上げられます。この改正により「毎月10万円の投資枠」が確保されることになりました。そして、これまでNISAの適用を受けることができなかった20歳未満の未成年者についても、待望の「ジュニアNISA」制度が創設されました。「ジュニアNISA」とは
この「ジュニアNISA」制度とは、未成年者の「未成年者口座」に係る「非課税管理勘定」又は「継続管理勘定」で管理される上場株式等に係る配当所得・譲渡所得は非課税とするというものです。この制度は平成28年1月1日以後に未成年者口座の申し込みがされ、同年4月1日から受け入れられる上場株式について適用されます(「非課税管理勘定」に受け入ることができる限度額は80万円。最長5年間)。夫婦と子2人の世帯を例とすると、改正前の非課税投資枠は夫と妻でNISA 100万円5年×2名=1,000万円であったのに対し、改正後は、(NISA 120万円×5年×2名)+(ジュニアNISA 80万円×5年×2名)=2,000万円と倍になります。これは子供を含む国民1人当たりの金融資産の平均額556万円×4人=約2,000万円に見合う数字となります(H25総務省家計調査)。18歳なるまでは払出ができません
成年NISAと異なる点は、18歳となるまでは非課税のまま払出すことができないという点です。一方で、「ジュニアNISA」は最終の口座開設は平成35年で、その運用は平成39年で終了します。この場合、平成39年の時点で18歳に達していない方もいるはずで、そのような方が非課税のまま払出ができないとなると制度として好ましくありません。そのため「ジュニアNISA」では、「継続管理勘定」というものが設けられました。この「継続管理勘定」には、「非課税管理勘定」から各年80万円まで移管することができ、その後、この「継続管理勘定」を用いることで、20歳になる前年まで非課税で運用を継続することが可能となります。「たま駅長」の社葬費用
更新日時:2015/08/10
本日は、「たま駅長」の社葬費用に関する記事です。
「たま駅長」社葬に3,000人参列
平成27年6月28日、和歌山電鉄・貴志駅の駅長待遇であった三毛猫の「たま」の社葬が、同駅コンコースで行われました。新聞報道では、最後の別れを告げようと3,000人の方が参列なさったそうです。「たま」は、もともとは同駅の売店の飼い猫。駅の利用者に大変親しまれていましたが、貴志川線が南海電鉄から和歌山電鉄に引き継がれることになり、居場所がなくなりそうになりました。相談を受けた社長の発案で、「たま」は駅長に任命され、引き続き、駅で飼われることとなったそうです。ところが、これがネットなどで話題となり、集客に大いに貢献。「たま電車」や「たまバス」を走らせる事態になりました。「たま」の社葬費用は損金になるのか?
「たま」の葬儀は、コンコース外に大型モニターを設置、祭壇に遺影が飾られ、駅近くの神社の神事が執り行われたそうです。そんな話を聞くと職業柄、「この社葬費用は、税務上損金に落ちるかしら…」と野暮な心配をしていまいます。法人税基本通達には「社葬費用」について、①法人の役員又は使用人が死亡したため社葬を行い、その費用を負担した場合において、②その社葬を行うことが社会通念上相当と認められるときは、その社葬費用のうち通常要すると認められる部分は、その支出日の属する事業年度の損金算入を認めるとしています。これは「社葬費用」を「福利厚生費」として損金を認めるという通達ですので、人間ではない「たま駅長」には、ちょっとハードルが高そうです。一方、これを「記念式典」の類と見れば、「交際費」とも考えられますが、3,000人も参列されたとすると、もはや、会社の取引先などの事業関係者に限定されたものでなく、「一般の鉄道利用者」を巻き込んだイベントとも言えます。その方向で損金となるよう考えていくしかなさそうですね。ペット葬式を挙げる側は「収益事業」!?
お葬式の神事を行う宗教法人サイドでは、ペットの葬式が収益事業に当たるか否か真面目に裁判で争われた事例があります(平成17年「ペット葬儀料事件」)。この裁判では、パンフレット等の料金表に基づき役務提供の対価として支払われ、宗教法人以外の民間ペット葬儀社が行う事業と変わらないという事情の下では、法人税に規定する収益事業に当たるとされました。リバースチャージ方式とは?
更新日時:2015/08/06
本日は、リバースチャージ方式に関する記事です。
リバースチャージ方式とは?
平成27年10月1日から「リバースチャージ方式」と呼ばれる新しい消費税の課税方式が導入されます。「リバースチャージ方式」とは、文字通り「納税義務が逆転」すること。消費税は原則として資産の譲渡を行った者・サービスを提供した者が納税義務を負いますが、「リバースチャージ方式」では、資産を購入した者・サービスの受益者が納税義務を負います。新課税方式導入の背景
ネットを通じて購入するデジタルコンテンツ(音楽・電子書籍・映画等)の取引は、今までの制度では国内事業者から購入する場合には、消費税は国内取引として課税され、国外事業者から購入する場合には、国内取引でないものとして消費税の課税対象外とされていました。このことが同種同様のコンテンツを購入する日本の消費者の税負担の公平や、事業者の競争条件を歪めているという指摘がありました。そこでネット経由の取引を「電気通信役務の提供」と定義して、新たな国内判定方式を設けるともに、「電気通信役務の提供」を「事業者向け」と「消費者向け」に区別した上で、前者の取引について「リバースチャージ方式」を採用することとしました。(電気通信役務の提供の納税義務者)
取引 事業者
国内取引 事業者向け 消費者向け 国内事業者 役務提供者 役務提供者 国外事業者 役務の受益者 役務提供者 具体的な課税方式
具体的には、課税資産の譲渡等から国外事業者が行う「事業者向け電気通信役務の提供」を除くとともに、国内において行った課税仕入れのうち、「特定課税仕入れ」(「電気通信役務の提供」に係る消費税等)が納税義務の対象とされます。「リバースチャージ方式」により納税義務を負うこととなる役務の受益者(課税売上割合80%)の消費税の計算では、次のように、「特例課税仕入れに係る消費税」が「課税」と「控除」の両面で登場するイメージになります。(課税資産の譲渡等に係る消費税額+特定課税仕入れに係る消費税額)-(課税仕入れ等に係る消費税額+特定課税仕入れに係る消費税額)×80%=納付すべき消費税額
キャリアアップ助成金-有期契約労働者の職業訓練
更新日時:2015/08/05
本日は、キャリアアップ助成金-有期契約労働者の職業訓練に関する記事です。
キャリアアップ助成金の人材育成コースは有期契約労働者等に以下の訓練を行った場合に支給されるものです。
人材育成コース
①一般職業訓練 Off-JT
②有期実習型訓練 「ジョブ・カード」を活用しOff-JTとOJTを組み合わせた3~6ヶ月の職業訓練
③中長期的キャリア形成訓練 Off-JT
④育児休業中訓練 Off-JT
上記4種類の訓練のうち有期実習型訓練について説明します。有期実習型訓練とは
Off-JTとOJTの組み合わせで実施する職業訓練で正社員経験が少ない非正規雇用の労働者を対象に正規雇用への転換を目指すもので、管轄労働局長が訓練基準に適合する旨の確認を行った職業訓練。
・企業でのOJTと教育訓練機関で行われるOff-JTを組み合わせて行う
・総訓練時間が6ヶ月当たりの時間数に換算して425時間以上である
・総訓練時間に占めるOJTの割合が1割以上9割以下
・訓練終了後にジョブ・カード様式4(評価シート)により職業能力の評価を実施対象労働者
有期実習型訓練を実施する事業主に従来から雇用されている有期契約労働者等、又は新たに雇い入れられた有期契約労働者等で下記に該当する労働者。
①登録キャリアコンサルタントに職業能力形成機会に恵まれなかった者として有期実習型訓練に参加する事を認められ、ジョブ・カードの交付を受けた者
②訓練実施分野で過去5年以内、約3年以上正規雇用された事がない者
③上記②以外の者で過去5年以内に約3年以上休業していた者、過去に単純作業で職業訓練の受講経験のない者
④正規雇用労働者を約して雇い入れた者でない。但し職業訓練後に評価結果により正規雇用者への転換を予定する労働者を除く
⑤訓練の終了日、又は支給申請日に雇用保険被保険者である事支給額 (中小企業の場合)
賃金助成 1人1時間当たり800円
Off-JT経費助成 1人当たり100時間未満10万円、100時間以上200時間未満20万円
200時間以上30万円キャリアアップ助成金-正規雇用への転換等
更新日時:2015/08/04
本日は、キャリアアップ助成金-正規雇用への転換等についての記事です。
キャリアアップ助成金は有期契約労働者等の非正規雇用労働者の企業内キャリアアップを促進し、正規雇用への転換や人材育成、処遇改善等の取り組みを実施した場合に助成されるものです。
正規雇用等転換コース
就業規則又は労働契約、これに準じるものに規定した制度に基づき、契約社員、パート労働者、派遣労働者などを正規雇用又は無期雇用に転換もしくは直接雇用した場合に支給されます。受給要件は下記の通り。
①次のア~ウのいずれかの該当者
ア、支給対象事業主に雇用され6ヶ月以上有期契約労働者又は無期雇用労働者である
イ、同一業務について6ヶ月以上の期間継続して労働者派遣を受け入れている派遣先の事業所、その他派遣就業場所において当該同一の業務に従事している派遣労働者
ウ、支給対象事業主が実施した有期実習型訓練を受講し、修了した有期契約労働者等
②正規雇用労働者として雇用する事を約して雇い入れられた有期契約労働者
③次に該当する労働者でない事
正規雇用労働者に転換又は直接雇用される場合や無期雇用者に転換又は直接雇用される場合に、当該転換日又は直接雇用日の前日から過去3年以内に、当該事業主の事業所において正規雇用労働者、勤務地限定正社員、職務限定正社員、短時間正社員又は無期雇用労働者として雇用された事がある者
④支給申請日において離職していない者支給額 (中小企業の場合)
ア、有期⇒正規雇用 1人当たり50万円
イ、有期⇒無期雇用 1人当たり20万円
ウ、無期⇒正規雇用 1人当たり30万円
派遣労働者の正規雇用加算金 30万円
母子家庭母等の転換加算金 アの場合1人当たり10万円 イとウの場合 5万円手続きの流れ
①キャリアアップ計画の作成、提出
②就業規則等に転換制度を規定する
③転換や直接雇用に際し規定した試験を実施、正規雇用への転換、直接雇用の実施
④転換後6ヶ月分の賃金支払後支給申請
6ヶ月分の賃金支給(時間外手当も含む)した翌日から起算し2ヶ月以内に支給申請
この他、受給には事業主要件もありますので事前確認しておきましょう。