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ファンド組成

年末調整の留意点

更新日時:2015/12/18

年末調整の時期となりました。年末調整は、給与の支払を受ける人の一人一人について、原則、毎月の給料や賞与などの支払の際に源泉徴収をした税額と、その年の給与の総額について納めなければならない年税額とを比べて、その過不足を精算する手続きです。

昨年と比べて変わったところ
平成26年度に改正された①給与所得控除額の上限額の引下げ、②給与所得者の特定支出の額の特例、そして、平成27年度に改正された③マイナンバー制度、④非居住者である親族に係る扶養控除等の適用を受ける場合の書類の添付等義務化は、平成28年以後の適用となっています。したがって、本年度の年調事務には、原則、改正はありません。以下、誤りやすい事項について幾つか確認したいと思います。

控除対象配偶者及び扶養親族等の判定時期
判定は、年末調整を行う日の現況により判定します。判定の要素となる①合計所得金額は、年末調整を行う日の現況により見積もった本年分の合計所得金額により、②年齢は、本年12月31日(所得者本人やその親族が年の中途で死亡した場合、その死亡時)の現況により判定します。また、年末調整を行った後、本年12月31日までに控除対象扶養親族の増加などの異動があった場合には、翌年1月の「給与所得の源泉徴収票」を交付する時まで年末調整の再計算をすることができます。

合計所得金額38万円の範囲
合計所得金額には、所得税法等の規定によって非課税とされる所得は含まれません。したがって、非課税所得である遺族年金等がある場合には、当該金額を含めないところで合計所得金額を算定します。また、国外居住親族の控除対象配偶者及び扶養親族等については、判定要素の合計所得金額38万円は、国内源泉所得、つまり我が国で得た所得だけで判定し、国外での所得はカウントしません。

親族等が契約者になっている保険契約等
妻や子に所得がなく、その妻や子が契約者となっている生命保険契約等であっても、所得のある夫がその保険料等を支払っている場合には、その保険料等は夫の生命保険控除の対象になります。但し、保険金等の受取人は、夫又はその配偶者その他の親族(個人年金保険契約等である場合はその配偶者)でなければなりません。

役員変更登記の改正点

更新日時:2015/12/18

少し前になりますが、株式会社の登記手続を定めている商業登記規則の改正で2015年2月から登記実務が一部改正されています。今後の手続として知っておきたい点について解説します。
改正事項
①役員が新たに就任する場合、本人確認証明書を添付する。
②代表取締役の辞任届は個人の実印を押印し印鑑証明書添付か会社実印の押印が必要
③役員の氏名と共に婚姻前の氏も併せて登記する事ができるようになった

役員就任の際の本人確認証明書の添付
従来は取締役等の役員が就任した際の添付書類は就任承諾書のみの場合がありましたが、登記の真実性向上の為、役員の実在を確認し、株式会社設立登記や就任登記、役員変更登記の際に新たに本人確認証明書の添付をする事になりました。再任の場合は不要ですから現在の役員が任期満了で再任された場合は対象にはなりません。

本人確認証明書の必要な役員とは
取締役会設置会社においては、代表取締役以外の取締役、監査役、指名委員会等の設置会社の執行役に新たに就任する者。取締役会非設置会社は監査役に新たに就任する者。本人確認証明書とは住民票の写し、戸籍の附表、運転免許証写し等です。

代表取締役が辞任する時の辞任届
代表取締役が任期途中で辞任して変更登記をする場合に、辞任届の偽造で会社乗っ取りが図られる恐れもあると指摘がされていました。そこで不正防止の為代表取締役の辞任届には個人の実印を押印し印鑑証明書を添付するか、登記所に届出している会社の実印を押印する事が必要になりました。但し、任期満了で代表取締役が退任する時は辞任ではありませんし、辞任届は必要ありません。

役員欄への婚姻前の氏の記録
今まで会社の登記簿の役員名は戸籍上の氏名が登記されていましたが、婚姻後も旧姓で活動する場合に支障を来す問題が指摘され婚姻前の氏も記録する方法が選択できるようになりました。登記簿に氏名が登記されている者が対象です。戸籍謄本や住民票を添付して申請します。

忘年会費用の取り扱い

更新日時:2015/12/18

寒さが本格的になると忘年会の季節です。仕事がらみの忘年会にもいろいろなパターンがありますが、税務上どのように取り扱われるのでしょうか。
①全社員を対象として事業所ごとに行われた忘年会
②一部社員や役員だけで行った忘年会
③営業部の社員が取引先と行った忘年会
これらに要した費用を会社が負担した場合を見てみます。

全社員を対象として行われた忘年会
社員や役員を慰労する為に行われる忘年会費用で次に該当する場合には税務上福利厚生費として損金で取り扱われます。①「社内の行事」として行われ、従業員等に「おおむね一律」に供与されるものであること
②「通常飲食に要する費用」であること
これは必ずしも忘年会が全社員全部集まって行うということでなく、社内行事として部ごと等の単位で行われるものでも福利厚生費となります。
通常に飲食に要する費用とは社会通念上
一般に供与される程度、常識範囲内の費用
ということです。また普通、二次会は任意
参加が多いので交際費として扱われます。

一部社員や役員だけで行った忘年会
特定の者だけが参加する忘年会で参加者の費用を法人が負担した場合はおおむね交際費となります。忘年会に参加しなかった社員に現金の支給をするのであれば給与となります。

営業部の社員が取引先と行った忘年会
普通、取引先を接待する目的で行われる忘年会費用は交際費になります。この場合1人当たりの飲食費用が5千円以下である時は交際費ではありません。飲食費用の交際費については、平成26年度の改正で資本金1億円以下の法人は1人当たり5千円を超える費用、並びに法人の役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する接待費用の50%の損金算入、あるいは年800万円までの交際費の損金算入が認められています。

消費税 課税売上割合の計算 利息 非課税売上とは限らない

更新日時:2015/12/15

近年は、中小企業でも海外に子会社や合弁会社(子会社等)を設立したり、その進出の勢いは止まる気配がありません。海外子会社等の事業が立ち上がるまでは、国内の親会社からの資金供給は欠かせません。子会社等への増資という手段もありますが、当面は、子会社等への資金供給は貸付金が多いようです。当然ですが、貸付金には利息の支払が伴います。

貸付金利息の課税区分
利息を収受する親会社は、この利息を受取利息として計上しますが、この場合、この受取利息が消費税法上、非課税資産の譲渡等に該当するものとして、また、海外の子会社等(非居住者)からの利息であることから、国外取引として課税対象外となるものとして、それぞれ課税売上割合の計算において当該利息を分母に算入し、あるいは、分母・分子から除外して計算することもままあるのではないかと思います。

受取利息は輸出免税取引
国内からの資産の輸出は、当然に、輸出免税取引に該当し、国内における課税資産の譲渡等として消費税ゼロ税率が適用され、課税売上割合の計算において、当該輸出取引は分母・分子にも算入されます。一方、海外子会社等の非居住者に対する貸付金のような役務の提供の対価たる受取利息に輸出免税取引が適用されるかどうかですが、結論は、輸出類似取引として輸出免税取引に該当するものとして取扱われ、課税資産の譲渡等として消費税ゼロ税率が適用され、当該利息は課税売上割合の計算において、分母・分子にも算入されることになっています。理由ですが、国内の親会社から直接海外子会社等への貸付金は、当該行為の事務所等所在地が国内であることから、当該取引は国内取引に該当し、その対価たる利息は非課税資産の譲渡等に該当しますが、外国の消費者に我が国の消費税を負担させることのないよう(国境税調整)、特例として、非課税資産の譲渡等などに要する課税仕入れについても、仕入税額控除を認めるということで、輸出免税の適用を受けると同様な結果になるようにした、ということです。なお、この特例によって仕入税額控除の計算上、輸出免税の対象とみなされる対価の額(受取利息)が、納税義務が免除されるかどうかの判定においては、基準期間における課税売上高には算入されません。

ノーベル賞の賞金は非課税 ただし、経済学賞だけは別?

更新日時:2015/12/15

今年も日本人にノーベル賞が授与
今年のノーベル賞が発表され、その中で物理学賞を梶田隆章さん、生理学・医学賞を大村智さんが受賞する事になりました。日本人が受賞するのは2年連続、通算23・24人目となります。暗いニュースが多い中で、明るい話題として、国内を盛り上げてくれましたね。

賞金は非課税です
ノーベル賞の賞金額は1千万スウェーデンクローナ、日本円に直すと約1億5千万円という大金です。この賞金ですが、日本国内では非課税となっていますので、税金がかかりません。ちなみにこれは昭和24年、湯川秀樹博士が日本人初のノーベル賞を受けた際、「賞金に課税するのはどうか」という議論が浮上し、法律を改正したからです。「ノーベル基金からノーベル賞として交付される金品」と所得税法に明記され、ノーベル基金から支払われる賞金は非課税となりました。ちなみにノーベル賞を受賞すると、文化勲章も授与されます。受勲した方は「文化功労者」に選任され、終身で年金が支給されますが、この年金に関しても非課税と所得税法によって定められています。

非課税は個別設定?
非課税になるものは、各法によって定められていますが、賞金の類は、「これは非課税」といった風に個別指定されています。ノーベル賞以外ではオリンピック・パラリンピックで優秀な成績を収めた人に対する日本オリンピック委員会等からの賞金など、個々に所得税法に記載があります。

しかし、経済学賞だけは……
ノーベル賞の内、経済学賞は1つだけ、スウェーデン国立銀行の働きかけで昭和43年に新設。賞金はノーベル基金からではなく、同行が運営する基金から支払われる事になっています。所得税法では「ノーベル基金からノーベル賞として交付される」と明記しているので、現行制度では経済学賞の賞金は一時所得として課税されてしまいます。今まで経済学賞を受賞した日本人はおりませんから、単に議論が起こっていないだけ、という事でしょうね。

IFRS導入で様々に?! バランスシートの「配列法」

更新日時:2015/12/15

「流動性配列法」とは?
貸借対照表の資産・負債の並べ方にはルールがあります。資産・負債を流動性の高い順から並べていく方法を「流動性配列法」、その逆を「固定性配列法」といいます。日本の会社では「流動性配列法」が一般的です。この配列法は、資産の換金性や負債の支払期限の長短から流動性の高い順に並べることで、支払能力を表現するには良い手法とされており、企業会計原則や財務諸表規則で採用されています。「支払能力」が着目される商社などには正にフィットする配列法です。例えば、三菱商事の貸借対照表(単体)は次のような配列になっています。

三菱商事単体BS(2015.3)(兆円)

資産          
流動資産 3.5
固定資産 4.7

合  計  8.2

負債・純資産
流動負債 1.8
固定負債 3.7
純資産  2.7

合  計 8.2

東京ガス単体BS(2015.3)(兆円)「固定性配列法」とは?
固定性配列法は、英国、香港、ドイツなどで用いられており、日本では固定資産が重要視される電気業やガス業で採用されている方法です。例えば東京ガスの貸借対照表(単体)は次のような配列になっています。

資産    
固定資産 1.4
流動資産 0.4

合  計  1.8

負債・純資産
固定負債 0.6
流動負債 0.4
純資産  0.8

合  計  1.8

近年ではIFRS(国際会計基準)を導入している上場企業の連結貸借対照表は、「固定資産・負債」は「非流動資産・負債」という区分になり、配列法もヴァリエーションが出てきました。例えば、日本硝子の連結貸借対照表を見てみましょう。近年ではIFRS(国際会計基準)を導入している上場企業の連結貸借対照表は、「固定資産・負債」は「非流動資産・負債」という区分になり、配列法もヴァリエーションが出てきました。例えば、日本硝子の連結貸借対照表を見てみましょう。近年ではIFRS(国際会計基準)を導入している上場企業の連結貸借対照表は、「固定資産・負債」は「非流動資産・負債」という区分になり、配列法もヴァリエーションが出てきました。例えば、日本硝子の連結貸借対照表を見てみましょう。

上場企業の連結BSはIFRS導入で様々に

日本硝子連結BS(2015.3)(兆円)

資産                             
非流動資産 0.6
流動資産  0.3

合  計  0.9

負債・資本
流動負債  0.3
非流動負債 0.4
資本  0.2

合  計  0.9

資産は「固定性(非流動性)配列法」、負債は「流動性配列法」となっています。少し不思議な感じがしますよね。

新設法人と納税義務の免除

更新日時:2015/12/14

新設法人は原則として免税事業者
新規設立法人には、消費税の納税義務を判定するための前期、前々期(基準期間)がないため、原則として設立1年目、2年目の事業年度における消費税の納税義務は発生しません。ただし、原則に対する例外があります。

例外1 資本金1000万円以上
その事業年度開始の日における資本金の額が1000万円以上である法人については、その基準期間がない事業年度であったとしても、納税義務は免除されません。(平成9年の税制改正)

例外2 特定期間課税売上1000万円超
上半期である半年間の課税売上高が1000万円を超えていた場合、その翌事業年度は納税義務が免除されません。その前年上半期のことを「特定期間」といいます。(平成23年6月の税制改正)

例外3 特定新規設立法人
設立された法人の50%超を保有する法人・個人を含めた株主グループの中のいずれかが、新設法人の基準期間に対応する期間の課税売上高につき5億円超であったなら、その新設法人の納税義務は免除されません。この50%超の支配関係下にある新設法人のことを「特定新規設立法人」といいます。(平成24年8月の税制改正)

例外4 新設合併消滅会社が1000万円超
合併によってすべての会社が消滅し、新しく設立された会社が消滅会社を承継することを新設合併といいます。合併があった日の初年度では、消滅被合併法人のいずれかが、新設法人の基準期間対応課税売上高につき1000万円超の場合、2年目以降は、合併・各被合併法人の基準期間対応課税売上高の合計額が1000万円超の場合、では合併新設法人の納税義務は免除されません。

例外5 新設分割会社等が1000万円超
会社分割・現物出資・事業譲渡による新設法人(新設分割等承継子法人)のその分割等があった日の初年度では、分割元等法人のいずれかが、新設法人の基準期間対応課税売上高につき1000万円超の場合、2年目以降は、分割・承継等の全法人の基準期間対応課税売上高の合計額が1000万円超の場合、では新設分割等設立法人の納税義務は免除されません。

少額減価償却資産の判定

更新日時:2015/12/14

少額減価償却資産とは
使用可能期間が1年未満のもの、取得価額が10万円未満のもの、が原則的な少額減価償却資産で、取得し事業の用に供した事業年度の損金とすることができます。そのほか、次の特例があります。
① 取得価額20万円未満の減価償却資産
一括償却資産として、取得し事業の用に供した事業年度を含む3年間での損金経理を認めています。
② 取得価額30万円未満の減価償却資産
中小企業者(資本金1億円以下の法人)の特例として年間300万円までについては取得し事業の用に供した事業年度の損金とすることができます。

少額減価償却資産の金額と消費税
取得価額が10万円未満、20万円未満、30万円未満であるかどうかは、免税事業者である場合を除き、法人が採用している消費税等の経理処理方式に応じて算定した価額により判定します。つまり、税抜経理方式を採用している場合には、消費税抜きの価額が取得価額となり、税込経理方式を採用している場合には、消費税込みの価額が取得価額となります。

少額減価償却資産の金額と圧縮記帳
資産が法人税での圧縮記帳の適用を受けたものであるときは、取得価額が10万円未満、20万円未満、30万円未満であるかどうかの判定は、その圧縮記帳後の金額に基づいて行います。したがって、圧縮後10万円未満なら即時の費用、20万円未満なら一括償却資産の取扱いがあり、30万円未満なら、除外要件に該当しない限り、これも即時全額償却となります。

30万円未満即時償却の除外要件
なお、少額資産に係る10万円と20万円の規定は法人税法の規定ですが、30万円の規定は租税特別措置法の規定なので、ここに異なる取り扱いが存在するので、留意すべきことがあります。即ち、租税特別措置法には、租税特別措置法の規定の重複適用を原則排除するような規定が他方にあるので、圧縮記帳が租税特別措置法の規定に拠って行われている場合は、30万円未満即時償却の適用は、重複適用として、除外要件に該当することになり、適用することができません。

非課税措置年内終了 公募公社債投信

更新日時:2015/12/14

現在、公募投資信託の数は、5000本以上もあり、一般にファンドともよばれています。その多くは、契約型(運用会社と信託銀行が契約を結んで組成)で株式投資信託(約款に株式に投資できる旨記載されている投信)です。

投資信託の利益は2種類
投資信託には、インカムゲインとよばれる「分配」とキャピタルゲインとよばれる「売却益」の2つの利益があります。前者は、分配金30円と書かれていれば、1万口ごとに30円、ということになります。後者は、株と同じように、値上がりによる売却益(値下がりによる売却損もある)です。この売却益ですが、投資信託では、基準価額とよばれる数値が株の株価にあたるものです。基準価額は、ファンド1万口あたりの価格です。基準価額1万円のとき100万円でファンドを100万口買った後、基準価額が1万2000円になったときに全部売却したとすると売却額は120万円となり、120万円-100万円で20万円の売却益、キャピタルゲインが生じたことになります。

公募公社債投信の行方
現在、公募公社債投信の売却益は、原則非課税で、売却損はなかったものとされ、いずれの所得とも損益通算ができません。しかし、来年からは、売却益は課税になり、一方、その売却損は、特定公社債等の配当等、利子、売却益、償還差益との損益通算、そして、上場株式等(上場投資信託「ETF」)、上場不動産投資信託「REIT」、上場投資証券「ETN」、公募株式投資信託等)の配当等、売却益との損益通算が可能となります。損益通算の結果、控除しきれない損失の額については確定申告により翌年以後3年間繰り越すことができます。そこで、公募公社債投信の中に含み益をもったファンドがあれば、今年中に売却して売却益非課税を狙うか、一方、資源国、新興国向けのファンドの中に含み損を抱えているファンドがあれば、損出しは損益通算できる来年まで待つ、といった選択もあります。

難しい判断(市場を読む)
ファンドの運用が好調で純資産残高も順調に推移し基準価額も上昇しているのであれば、何も今年中に売却することもありませんし、一方、ファンドの資金が流出し純資産残高が著しく減少しているのであれば、損失拡大回避のため早くファンドを処分した方がよい場合もあります。

相続で取得した資産 そ の 耐 用 年 数

更新日時:2015/12/10

相続で取得した減価償却資産は、特殊な事例を除いて殆どが中古資産です。この中古資産について、取得価額について明文の規定はありますが、耐用年数については規定がありません。そこで、減価償却資産の耐用年数等に関する定めを適用して算出した耐用年数、いわゆる中古資産を取得した場合の簡便法(当該資産の法定耐用年数から経過年数を控除した年数に経過年数の2割に相当する年数を加算したもの)が適用できるかどうかです。結論は、「相続により取得した減価償却資産には中古資産の耐用年数の簡便法は適用できない」、です。高裁まで争われましたが、その論拠は次の(1)、(2)です。

(1)取得日及び取得価額の引継ぎ規定
譲渡所得の計算において、相続・贈等で取得した資産を譲渡した場合には、その者が引続き当該資産を所有していたものとみなす、とする「取得日の引継ぎ」規定があること。それと平仄を合わせるように、相続・贈与等で取得した減価償却資産の取得価額についても、その者が引続き所有していたものとみなした場合における当該減価償却資産に所定の償却に関する規定を適用して算出された場合の取得価額に相当する金額、とする規定があること。そして、これらの規定の趣旨を勘案すると、取得価額のみならず、償却費の計算に当たり必要となる耐用年数及び残存価額も前所有者から取得者に引継がれると解すべきである、としています。

(2)耐用年数簡便法の適用場面
中古資産を取得した場合の耐用年数簡便法の適用趣旨は、中古資産によって経過年数も様々で、これに一律の耐用年数を設定することは無理であることから特別に定めた規定であり、中古資産を取得した時点における取得価額を当該取得後における使用可能期間等に償却費として配分するために設けられた規定であること。そして、相続等により取得した減価償却資産については、取得者は前者の新品としての取得価額を引継ぐことになり、この取得価額に対して通常の法定耐用年数が適用されるのであって、相続等による取得の時点で取得価額が発生することはないから、簡便法の適用の余地はない、としています